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一人親方が下請け仕事で怪我をして労災を隠した場合のリスクとは

 
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一人親方が下請けで現場に入り怪我をした場合、親方はどうしていますか?また、親方のまわりにいる一人親方達はどうしているでしょうか?

 

正しく処理している方が多いでしょうか?それとも元請けにだけ報告して終わりというのが多いでしょうか?または、誰にも言わずに労働災害に遭ったことを誰にも言わず隠している人が多いでしょうか?

 

一人親方は、労災に遭ったとき会社員の方と同じ仕事をしていても補償がありません。そのため怪我をしても収入が減り、治療費も自己負担することになりかねません。

 

このような不利益な状態を続けるのは正しい選択ではないと言い切れます。そこで今回は、一人親方が下請けした現場で怪我をした場合、どういった方法が正しく賢い対処方法なのかについて。そして、労災を隠した場合のリスクについてもお話していきます。

 

1: 一人親方が怪我をした場合の労災保険はどうなるのか?

一人親方が下請け先の現場で怪我をした場合。または病気になった場合。元請け会社へ労災保険の適用を求めることはできません。

 

元請け会社が加入している労災保険を利用できるのは、元請け会社、及び下請け会社と雇用契約が結ばれた「従業員」だけです。

 

そのため、こうした従業員の方と、一人親方が同じ現場で同じような危険を伴う仕事をしていた場合、同じように怪我をしても、その後の状況は全く変わってきます。

 

従業員の方は、労災保険が認められると働けない期間の収入の一部を保障してもらえます。また、怪我の治療に掛かる費用も労災保険によって賄うことができます。

 

いっぽう、一人親方がご自身で労災保険へ加入されていない場合、現場へ出られないことで収入減になっても保障はありません。怪我の治療に関する費用の負担も自己負担となり、収入減と合わせてかなり厳しい状態になることが予想されます。

 

また、万が一ですが、怪我によって障害が残ってしまった場合も、従業員なら労災保険からの保障を得られますが、一人親方が労災保険に加入されていない場合は、何の保障も受けられなくなります。

 

このような状態になるのですが、残念なことに一人親方の中には、こうした事実をご存じない方もいらっしゃいます。また、知っていても「もったいない」「自分は大丈夫」という理由から労災保険へ加入されていない方もいらっしゃいます。

 

しかし、先ほどお話ししましたように、建築現場でのお仕事は危険と隣り合わせです。次の瞬間に怪我や事故に遭う可能性は、他の仕事よりも高くなります。

 

したがいまして、一人親方で労災保険へ加入されていないのなら、私たちは親方の未来のリスクを少しでも減らすために強く加入をおすすめします。

 

2: 一人親方が怪我をしても労災を隠してしまう理由

一人親方が現場で怪我をしても隠してしまう。こういった話が無くなれば良いのですが、現実的には今でもあります。

 

どうして隠してしまうのか。その理由を見ていきます。

 

(1)未加入問題

最近の大きな現場では、入場するためには労災保険への加入を求められます。しかし、加入することなく、書類や監督をすり抜けて不正に入場してしまっている一人親方もいらっしゃるようです。

 

こうした一人親方が現場で怪我をすると、元請けに報告することはできません。本来なら労災保険へ加入していないと入場してはいけないはずなのに入って仕事をしているのですから、ペナルティが発生するかもしれません。

 

(2)保険料アップの負担

労災保険に加入している一人親方でも、現場での労災を隠してしまうことがあります。

 

その理由で多いのが、労災を使うと来年の保険料がアップするから。

 

もし、親方がこのように考えられたのなら、加入している団体や組合、協力会の担当者へ相談してみましょう。

 

おそらく相談すると次のような答えが返ってくるはずです。

 

一人親方の場合、労災保険を使っても保険料はあがりません

 

そうなんです。一人親方が労災保険を使っても保険料がアップすることはありません。

 

 

もし、労災を使った方が良いのかどうか。来年の保険料はどうなるのか。悩んでいても解決しませんし、使う使わないによる変化を細かく知るためには、労災保険を詳しく理解している専門の人へ確認するのが一番です。

 

まわりから「上がるから使わない方がいい」と言われていたとしても、まずは加入されているところの担当者へ相談しましょう。

 

(3)元請けへの懸念

「現場で怪我をした」という報告を元請けにすると、心象が良くないため隠してしまうこともあります。

 

また、報告したとしても元請けからの命令で隠すように指示されることもゼロではありません。ただしこれは違法であることを理解しておきましょう。

 

一人親方としては、怪我の報告をすることで、これから仕事をもらえなくなるのではないかという不安があると思います。これは労災隠しの理由の中で解決しづらいことの一つでしょう。

 

悩まれた場合は、加入されている団体や組合へ相談してください。

 

3: 一人親方の怪我は元請けに責任はないのか

元請けは、全ての下請けに対して監督する責任と義務があります。

 

これは言い換えると、すべての下請けを労災から守る「安全配慮義務」があると言えます。

 

 

そのため、大手ゼネコンやハウスメーカーなどは、一人親方が下請けの中に入っている場合「労災保険の特別加入」を徹底しています。

 

しかし、現場で労災加入していない一人親方に死亡事故が発生したら、元請けには全く責任が発生しないのでしょうか。

 

確かに一人親方の場合、自分で労災保険に加入していなければ保障の対象外ではあります。ただ、先ほどお話ししましたように、元請けには下請けを労災から守る「安全配慮義務」もあります。

 

この2つを考えると、元請けは100%の責任はないかもしれませんが、いくらかの責任は負うことになるでしょう。

 

このようにお話すると、一人親方の中には「じゃあ、未加入の方が得かも」と考えられる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、その考えは正しくありません。元請けはいくらかの責任を負うかもしれませんが、残された家族にとっては足りない保障かもしれないからです。

 

もし、親方が残された家族のことを親身に考えられるのなら、やはりご自身で労災保険へ加入されておくことが一番ですし、加入しておくことで現場へ入場して堂々と仕事をすることができます。

 

さらに、加入していることで仕事の依頼も受けやすくなり、元請けとの信頼関係も維持することができるでしょう。

 

4: まとめ

一人親方が現場で怪我をした場合、労災保険に未加入のため隠してしまうのは、ご自身だけではなく元請けにとっても問題です。

 

親方が元請けに対して「迷惑をかけたくない」と思っておられるのなら、怪我をして隠すのではなく、労災保険の特別加入に入っておくことがお互いのためになります。

 

まだ加入されていないのなら、しっかりと考えてみてください。

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