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建設現場で労災は必要!一人親方が加入するとき知っておきたいポイントとは

 
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会社と雇用関係を結んでいない、個人事業主(最近ではフリーランスという言葉もあります)の職人である「一人親方」。

 

一人親方は、自分の裁量で仕事を決めることができますし、仕事をする時間帯や曜日も決められます。会社勤めをしているときとは違い、かなり自由度が高くなりますので「独立して稼ごう」という思いからスタートされた方もいらっしゃることでしょう。

 

しかし、ここで問題になってくるのが、会社と雇用関係にないため、一人親方の身に万が一のことがあったとき、何も準備していないと誰も親方のことをサポートしてくれません。

 

そこで今回は、一人親方の中には未だ加入されていない方も多い、労災保険についてお話していきたいと思います。

 

1: 建設現場で働く一人親方のリスクとは

建設現場で働く一人親方には、次のようなリスクがあります。これらのリスクは、親方と同じ現場で一緒に働いている同僚も同じですが、その同僚が会社と雇用関係にあるなら災害が起こった時の対応は親方と全く変わってきます。

 

(1)収入が途絶える可能性

もし親方が現場でケガをされたとき。または現場への通勤途中に事故に遭ってしまい入院する必要があったとき。

 

困ったことに治療している期間は現場へ出ることができなくなるはずです。ちょっとした打撲なら2~3日で現場へ復帰できるかもしれませんが、骨折などとなると短くても2~3週間は治療に専念することになりますから、現場へ出ることができません。

 

また、ケガの状態によっては1ヶ月、2ヶ月と療養が必要になり、現場へ出られない期間が長引いてしまうことも考えられます。

 

このようなことになると、一人親方の場合は収入面に大きな影響が出てしまいます。現場へ出られないので収入が減ることもあれば、長期に渡って出られる可能性が低い場合は、契約そのものを打ち切られてしまう可能性もゼロではありません。

 

ということは、これまで頑張って働いてきたにも関わらず、入院などで現場に出られなくなったことで収入が途絶えてしまい、明日からの生活に大きな不安を持つことになります。

 

仕事上のケガや病気は、一人親方にとってこのようなリスクをもたらすことがあります。

 

(2)治療費で生活が苦しくなる可能性

収入の次に困ったことになりやすいのが治療費の問題です。労災保険に加入していない一人親方の場合、治療費も自分で負担しなくてはいけないため、収入が減る(または途絶える)状態にありながら、さらに出費がかさんでしまうという、なんとも不利な状態に追い込まれてしまう可能性が出てきます。

 

(3)満足な治療ができない可能性

治療費で生活が苦しくなる可能性が出てくると、満足な治療を選ばなくなる方もいらっしゃいます。

 

そうすると、治療費は抑えることができるかもしれませんが、ケガや病気の症状が長引いてしまうこともあれば、後遺症として障害が残ってしまうことも考えられます。

 

「後1ヶ月療養すれば治ったかもしれない」という後悔をされている方も、親方のまわりにいらっしゃるのではないでしょうか。

 

(4)仕事が途絶える可能性

仕事中にケガや病気になる前に、現場での安全を守る義務のある元請けから、「一人親方も労災保険に加入していないと仕事を渡せない」というルールを持っているところも徐々に増えてきています。

 

(5)入場できない可能性

孫請けした現場へ入場しようとしたとき、実は大手の元請けの現場だった場合、入場時に労災保険へ加入していないと入れないというところも出てきています。

 

今後は現場での安全性向上のため、こういったルールを決めている現場が増えていっても不思議ではないルールです。

 

2: リスクがあるからこそ検討したい労災保険

このようなリスクが一人親方にはあります。そのため、この機会に労災保険への加入を真剣に検討していただきたいと私たちは思っています。

 

(1)親方が知っておきたい労災保険とは

まず、労災保険とは、どういうものなのでしょう。

 

本来「労災保険」とは、「労働者」の業務または通勤途中による災害に対して保険給付を行う制度です。

 

ここでいう「業務」とは、現場での仕事です。「通勤途中」とは、家から現場へ、または、現場から家への途中です。

 

ここで注意しておきたいのは、通勤経路を外れたことで災害に遭っても保険給付の対象にならないということ。

 

例えば、現場から家へ帰る途中、居酒屋へ立ち寄り、その後に事故に巻き込まれた。このケースでは、通勤経路を一度外れています(居酒屋へ立ち寄っています)ので、保険給付の対象にはなりません。

 

(2)「一人親方」の定義について

「一人親方」という言葉ですが、これも明確に知っておきましょう。

 

ここでは建設業の一人親方に絞ってお話します。一人親方に該当するのは

 

「会社に雇用されておらず、個人で仕事を請け負っている」

 

簡単に判断するポイントとしては、仕事を請け負った会社との間に「雇用関係がない」と一人親方になる可能性が高いです。

 

(3)どうして労災に加入する必要があるのか

一人親方がどうして労災保険に加入する必要があるのかというと、もっとも強い理由は先ほどお話ししたリスクをできるだけ軽減させられることです。

 

建設業に携わる一人親方の場合、どうしても仕事場での危険度が高くなります。重機による事故も考えられますし、道具を使っているときのケガもあり得ます。また、現場内を移動しているときに、足場が悪く転倒してケガをすることも十分に考えられます。

 

このように、他の業種よりもケガや事故、さらには仕事の内容によっては病気になってしまうリスクが高いため、建設業の一人親方はできるだけ労災保険へ加入しておく必要があると、私たちは考えています。

 

万が一は起こらない。このように考えておられる親方もいらっしゃるでしょう。しかし、万が一の事故や病気や、本当に前触れなく起こることです。親方やご家族の生活を守るためにも、何らかの補償は手にしておかれることをおすすめします。

 

(4)間違えやすい「元請けの労災保険」が適用されるかも?という話

元請け会社が加入している労災保険が、一人親方にも適用されるんじゃないの?仕事を請け負っているんだし。

 

このような話が出ることもあるでしょう。結論から申し上げますと、元請け会社が加入している労災保険は、一人親方には適用されません。

 

現場での事故については、元請け会社も責任がゼロにはならないかもしれませんが、労災保険の適用は別の話です。

 

一人親方が労災に遭った時の補償を準備するのなら、労災保険への加入が必要になります。

 

3: 加入するとき知っておきたいポイント

労災保険へ加入するとき、知っておきたいポイントをまとめました。

 

(1)個人では加入できない

労災保険へ加入するときですが、個人で直接労災保険に加入することはできません。健康保険のように、自治体の窓口で申請して加入という流れでもありません。

 

ではどのように加入するのかというと、労災保険の特別加入を扱う「団体」へ加入することになります。

 

(2)団体の分類を知っておこう

労災保険の特別加入を扱う「団体」には、いくつかの種類があります。

 

ひとつは「○○組合」「○○連合会」というような、従来からある業界団体です。これらの団体で注意しておきたいのは、入会費や組合費が高くなりがちということ。そして、団体の活動に参加しないといけない可能性が高いこと。

 

二つ目は、インターネットで加入者を募集している組合です。当協力会はここに入ります。

 

(3)加入費用の違いはココ

労災保険に加入するときの費用ですが、保険料と補償内容はどの組合や団体で加入しても同じです。

 

しかし、入会費や組合費、手数料などに違いがあります。様々な団体や組合を比較してもらうとわかりますが、費用の違いが発生している部分は、ここだけです。

 

(4)団体の信頼性もチェック

「組合費が高い=対応がいい」ということはありません。また費用が高いから保険が適用されやすいということもありません。

 

加入する時の選び方で重要になってくるのは、団体が各都道府県の労働局長の承認を受けているかどうか。また、団体を運営しているところが信頼できるのかどうか。

 

例えば、私たちの協力会であれば、運営母体は社会保険労務士の集まる事務所です。そのため経営基盤も安定していますので、突然解散ということもありません。また、手続きに関しても専門ですから、滞ることもなく、スムーズな加入や申請が可能です。

 

4: まとめ

建設現場で働いておられる一人親方には、常にリスクがあります。特に仕事の基本であるカラダに関するリスクが高いため、万が一のときにも安心して生活と治療ができるように準備しておきたいところです。

 

まだ労災保険の特別加入に入っておられないのなら、この機会に十分検討してみてください。費用や補償内容など、疑問や不安なことがあれば当協力会へご相談ください。

 

国家資格を持った社会保険労務士が、わかりやすくご説明させていただきます。

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